お気に入りのソファの張地(生地)を選ぼう
ソファを選ぶときに、「張地の素材」で悩まれることがあると思います。
実際にお客様からどの素材が良いのか質問いただくことがあります。
ソファには「布」・「合成皮革」・「革」と3つの代表的な張地があります。
それぞれの張地の特徴を知ろう
自分の好みに合ったソファを見つけるためには、素材が持つメリット、デメリットを知ったうえで、インテリアの雰囲気や好み、暮らしに合ったものを選ぶことが大切です。
ここでは、素材の特徴をお話しさせていただきます。
優しい肌触り布張り(ファブリック)ソファ
布張り(ファブリック)のソファは、肌触りがソフトで豊富な種類の色や柄から選べます。
また、お部屋の雰囲気に合ったソファを見つけやすく、様々なコーディネートが楽しめます。
カバーリングタイプのソファ (布が取り外せるタイプ)を選べば、ドライクリーニングができるタイプなどもあり、定期的なお手入れで衛生的に保てます。
季節や気分によって張地を変えることも可能です。
近年はペットと暮らす方も増え、ペットのひっかきキズに強い素材も開発されています。
布は革に比べてリーズナブルな価格帯のソファが多いため、若い世代にも好まれる素材です。
メリット | デメリット |
・肌触りがいい ・選ぶ生地によって感触を楽しめる ・豊富な種類の色柄 ・張替可能(カバーリングタイプ) ・衛生的(カバーリングタイプ) ・本革と比べて費用を抑えられる |
・汚れが付きやすい ・ホコリがたまりやすい ・生地によって毛玉がでやすい ・耐久年数約5-7年 |
革の質感を手軽に楽しめる合成皮革ソファ
合成皮革はソフトレザーやビニールレザー・フェイクレザーと呼ばれることも多く、革に似せて作った人工の素材です。
主に塩化ビニールやポリウレタン樹脂などが使用され、「PVC」や「PU」と表記されます。
水や汚れにも強く、短期的には変色もしにくい素材です。
汚れが付いても中性洗剤で拭き取れば落ちるので、手入れも簡単です。
人工的な素材なので、色のバリュエーションも豊富。天然皮革にはない色を楽しむことができます。
レザーと表記があっても、数万円のソファは合皮である可能性が高いので、よく確認しましょう。
合皮は量産できる素材であるため、比較的安価で革に近い風合いが楽しめ、小さいお子様がいるご家庭や、転居が多く買替える可能性が高い方に人気があります。
メリット | デメリット |
・お手入れがしやすい ・本革と比べてカラーが豊富 ・本革と比べて費用を抑えられる |
・夏はべたつき、冬は冷たい ・高級感に欠ける ・経年劣化する ・本革は比べ強度は弱い |
「PVCレザー」と「PUレザー」どちらがよいのか?
みなさんからごく稀に「PVC」と「PU」の違いってなんですか?
そのような質問を受けることがあるので、ここで簡単にご紹介させていただきます。
PVCレザーとは、布地の表面に塩化ビニール樹脂を塗布し、質感を天然皮革に似せた人工素材です。 耐久性が高く、汚れに強く、水や中性洗剤で汚れを拭く事ができるので、メンテナンスが非常に簡単です。 加工性が高く、機能性(防汚、抗菌等)の高い商品があります。 PVCレザーは比較的安価に手に入れることができますが、通気性や弾力性、柔軟性では、PUレザーには劣ります。 また、長年の使用で表面が硬くなったり、経年劣化で表面のコーティングが割れるリスクがあります。 表面がツルっとした肌触り、通気性が低いため湿度の高い季節は汗でベタベタする点があり不快に感じる方もいます。 |
●PUレザー布地の表面にポリウレタン樹脂を塗布し、質感を天然皮革に似せた人工素材です。 フェイクレザーとも呼ばれ、柔らかくもちもちとした肌触りが特徴です。 より本革に近い見た目と質感で疑似本革としては、最高級にあたります。 PVCレザーに比べると通気性があり、撥水性も高いのでメンテナンスが非常に簡単です。(PUレザーのお手入れの基本は乾拭きです。) PVCレザーよりは経年劣化はしにくいですが、本革に比べると耐久性は劣ります。 湿度の高い場所での使用は、水分との化学反応を起こし、表面がボロボロになる(加水分解)可能性があります。 |
PUレザーのほうが価格が高く、機能性や肌触りも上質です。
ただし、PVCにはPUにないメンテナンス性というメリットもあり、必ずしもPUのほうが良いとは言い切れません。
特に小さなお子さまのいるご家庭では、メンテナンス性や短いスパンでの買い替えになる場合などを考えるとPVCのほうが向いているとも言えます。
どちらが自身のライフスタイルや好みにあっているかを考慮し、ソファ選びの参考にしてみてください。
使い込むほどに味わいが出る革張りソファ
しっとりとした肌触り、自然の風合いなど、特有の温もりと高級感が魅力です。
また、使い込むほどに革の色合いや質感が変化し、経年変化を楽しめます。
ファブリックソファと比べてホコリやダニがつきにくいという点もメリットとしてあげられます。
適切なメンテナンスをすれば、耐久性もあり長持ちします。
革は水や汗に弱く、放っておくと革が傷んでしまいます。
メンテナスの作業が面倒に感じる方には負担になるかもしれません。
主に牛革が使用されており、革の厚み、染め方、希少価値などでグレードが決まります。
メリット | デメリット |
・耐久性が高い ・汚れがつきにくい ・ホコリを払いやすい ・使い込むほどに味が出る(染め方による) ・布張りに比べてバリエーションが少ない |
・夏はべたつき、冬は冷たい(染め方による) ・ひび割れてくる(染め方による) ・メンテナスが複雑(染め方によって違う) |
みなさんが憧れる革張りのソファ、お値段も安くはありません。
ある程度の知識があれば店頭での商品選びもスムーズになります。。
そこでもう少し革については詳しくご紹介いたします。
革の価格の違い
革張りソファと言ってもお値段はピンからキリまであります。革のランクがどう決まるかが分かると、価格の違いも理解できます。
●銀面・床革のどちらを使用しているか
革の最表面を「銀面(ぎんめん)」と言われています。肉眼でも見えることはありますが、顕微鏡でよくみると毛穴や毛穴の配列まではっきりと見えます。トップレザーやグレインレザーとも呼ばれ、革本来のもつ風合いがあり、繊維が細かく、頑丈で耐久性に優れています。また銀面に型押し等の加工をすることにより、色々な表情を楽しむことができます。
革の2層目にあたる部分を「床革(とこがわ)」と言われています。繊維が荒く薄いため耐久性に欠けます。そのため、商品によっては、ポリウレタンなどの樹脂を表面に貼り耐久性をUPした「スプリットレザー」にして使用したりします。トップレザーに比べると安価です。
ソファの身体に直接触れる部分(座面・背もたれ・肘)はトップレザー、側面や背面はスプリットレザーと使い分けて価格をおさえている商品もあります。
●革の厚み
高級ソファほど厚い革を使用していることが多くなります。
スタンダードなもので1mm前後の厚み、高級品になってくると1.4mm~3mmの厚さの革を使用しています。
●革の仕上げ(染め方)
レザーソファに使われる革は、仕上げの方法も様々です。
●顔料仕上げ「顔料仕上げ」は、革の表面に塗料を塗る方法で 、本革張りの中でも一般的なのがこのタイプです。 表面の塗膜の厚みにもよりますが、毛穴の凸凹やシワをしっかりコーティングするので、合成皮革のようにメンテナンスしやすく、丈夫に仕上げられます。 その一方、セミアニリン染めやアニリン染めに比べひび割れしやすく、革本来の風合いや肌触りは劣ります。 |
●アニリン染め「アニリン染め」は、顔料ではなく、染料を塗る仕上げ方法です。革本来の風合いを活かし、染色後、保護する程度に薄くコーティングします。 やわらかく、体温も伝わりやすいため、革の中でも温かみのある風合いに仕上がります。 また、使いこむほどに出てくる革の味わいを楽しめます。 シワや天然のキズ跡が残り、張地として使用できる革の面積が限られるため、比較的高価なものが多くなります。 しかし、水や汗に弱く、傷がつきやすいのがデメリットです。 |
●セミアニリン染め「セミアニリン染め」は、染料を使いつつ、一部に顔料を塗る仕上げ方法で革を染めた後で、適度に顔料仕上げを行うのがこの方法で、顔料仕上げとアニリン染めの中間のような仕上げです。 革本来の風合いも残しながら、汚れも比較的落としやすく、まさにいいとこどりをした染め方で、仕上がりが比較的均一です。 革の良さを保て、傷や汚れがつきにくいのが特徴です。 |
●革の大きさ
一枚の革の面積が大きいほど価格が高くなります。
高級なソファほど背もたれ部分や、座面に継ぎ目がなく贅沢に革を使っています。
本革張りソファの中には部分的に合成皮革を使うことで価格を抑えたソファもあります。
身体に触れない背面などの見えない部分に使い、高級感を損なうことはありませんが、異なる素材を張合わせているため縫製がゆるみやすく、長く使う間に色調が変わってしまうこともあります。
気に入った家具をできるだけ長く愛用したいと考えるなら、やはり総革張りがおすすめします。
― まとめ ― 「カジュアルな印象のお部屋に」「幅広い価格帯や豊富なデザインから選びたい」このような方は布張り(ファブリック)ソファがおすすめです。「革が欲しいけど予算を抑えたい」「手入れが面倒なのが嫌」このような方は合成皮革張りソファをおすすめします。「高級感のあるお部屋に」「長く使いたい」このような方は革張りソファがおすすめです。張地の素材によって、見た目や機能・値段とそれぞれ違います。ご自身のライフスタイルやインテリアの好み、予算に応じてソファを選びましょう。また、ソファはサイズ選びも重要です。「部屋に入るか」も大事ですが、「使用目的に合った大きさか」も考えて選びましょう。 |