今回はソファ選びの基礎知識についてのお話です。現在、低価格な家具の多くが東南アジアで生産されています。品質は様々できちっと作られたものもありますが、利益を確保するため品質をギリギリまで下げ量産している家具もあります。そういった家具の寿命は短く、ソファやマットレスなど、使用することでウレタンやバネがへたってしまうような家具については2~3年程で買い替えを迫られるものもあります。なぜならソファであればクッションがへたることで掛け心地が格段に悪くなります。マットレスであればバネがへたってしまい寝心地は悪くなり腰痛など体への負担が高まります。こうなると買い替えない訳にはいきません。そういったことを考慮すると家具を買い替える機会は一昔前から考えると、2倍~3倍?或いはそれ以上である場合もあると思います。もちろん家具の購入を繰り返すことで見る目は養われ、目が肥えていきます。上質で使い心地の良い家具を求める方も少なくないと思います。今回は家具購入の経験値のない方にも、ある方にも知って頂きたいソファ選びの基礎知識をご紹介します。
1,お部屋のサイズに合うソファを選ぶ
暮らす人が暮らしやすいように動線を確保できるサイズを選ぶことは大切です。
ソファがお部屋を占領することで人の行き交いに支障をきたすようなことや、その他の家具が設置できなかったり、収納家具の前にソファを設置することで引出しや扉が開けられないようなことにならないようにソファのレイアウトや既にお部屋にある家具や家電製品の配置、動線なども見直すことで、ご希望のサイズのソファをゆったりと配置できたといった実例は多くあります。家具の無料コンサルティングも実施しておりますのでお気軽にご利用ください。
2,お部屋の雰囲気に合うソファを選ぶ
お部屋を見渡して現在のお部屋の雰囲気を確認してください。
お部屋の建具や既にある家具がどのような色でどのようなデザインであるのかを、しっかり確認してください。
なぜかと言うとソファにもしも木部があったとするとその木部の色を統一することでお部屋とソファとの関係にまとまりがでるからです。
3,希望する人数が座れるソファを選ぶ
家族で団欒の時間を過ごす為に購入するソファであれば、家族みんなが座れる必要があります。
例えばそれが5人家族であれば、L字型のコーナーソファであったり、2人掛けソファと3人掛けソファのセットだったりする場合もあります。また、それだけのソファの設置スペースがない場合は3人掛けソファと一緒に座椅子を2台を設置すれば5人でリラックスした団欒の時を過ごせます。
4,用途に合ったソファを選ぶ
ソファのご使用用途 | ソファのデザイン・特徴 |
ゴロンと横になりたい | ローアーム、アームレス、カウチスタイル、、ソファベッド、奥行きが深め |
読書やテレビをゆったり楽しみたい | ハイバック、オットマンとのセット、リクライニング |
家事の合間の休憩に | ハイアーム、座面高め、 |
食事を楽しみたい | 奥行き浅め、座面高め、座面固め |
人を招く機会が多く、応接的に使いたい | 2人掛けと3人掛け等のセット、座面の浅め、座面高め |
床にローポジションで圧迫感なく設置したい | ロータイプ、座面深め |
家族みんなでの団欒を過ごしたい | システムソファ、コーナーソファ、カウチソファ、2人掛けと3人掛け等のセット |
ソファの形状の種類
1人掛けソファ1人掛け用のソファです。応接セットとして2人掛けソファや3人掛けソファと組み合わせて設置する場合もあります。 |
コンパクトソファ幅110~130cm前後、奥行き60~80cm前後の2人掛けソファです。子供部屋や狭いお部屋にお薦めのソファです。 |
2人掛けソファ2人掛け用のソファです。応接セットとして1人掛けソファや3人掛けソファと組み合わせて設置する場合もあります。 |
3人掛けソファ3人掛け用のソファです。応接セットとして1人掛けソファや2人掛けソファと組み合わせて設置する場合もあります。最も選ばれるサイズのソファです。 |
カウチソファ足を伸ばしてくつろげるポジションが1シートあるソファ。サイズは大きく200cmを超えるものが多い。シェーズロングソファと名称でも呼ばれます。 |
コーナーソファL字を描いたソファです。できるだけ多く座りたいというご希望に合ったソファです。サイズは大きく,L字で210cm×210cmを超えるものがほとんどです。お部屋の角に沿って設置できるのでスペースの無駄もありません。 |
ローソファ脚のないタイプのソファです。座部の高さは床から10cm~25cmと低く、床に座るほうが好きな方やお部屋に圧迫感を感じさせたくない方にお薦めです。 |
肘なしソファ肘が無く背もたれと座部だけのソファとなります。ソファの幅そのものが座面の幅なので人が座るスペースは大きく確保されます。同じ幅の肘ありソファと比較すると1人分多く座れることが多いです。 |
ソファベッドソファとして、そして背もたれが倒れることでベッドとして1台で2役の家具です。ソファベッドは横たわることを目的としているので幅は最低でも180cmあります。比較的、肘が無いタイプが多いです。 |
オットマンソファの足置きです。オットマンがあればどんなソファも足を伸ばしてリラックスモードになれます。例えば今お持ちのソファにセットすればカウチソファのように足を伸ばしてご使用できます。来客時に補助的なスツールにもなります。あると便利。 |
張り地の種類
・本革
本革にも様々な種類があります。まず、最も外側の表皮の革を銀つき革と言います。毛穴があることで吸湿性がり、夏場にレザーがベタベタするような不快感を軽減します。
・銀つき革
一般にスムースと呼ばれる、銀面(皮の表面)の自然な感じをそのまま活かした革のこと。 原皮を使用して銀面の美しさを活かした革です。家具に使用される革としては高級な張り地です。ボックスカーフやアニリン革などが代表で、美しい銀面と優れた耐久力、快適な使用感でお薦めの素材です。厚い革を2枚か3枚にスライスした一番上の1枚目(表面の付いている部分)を銀付き革と言い、2枚目、3枚目をそれぞれ一番床革、二番床革と呼ぶ。
・型押し革
鞣した後、加熱高圧プレス機で銀面に模様や図柄などをプレスした革で、表面のしぼが特徴。当初は質の悪い革の銀面をきれいに見せる目的だったが、現在ではファッション的な用途が広がり高級な革にも応用されている。
・オイルレザー
植物性の樹皮や木部、果実などから抽出した天然タンニン(シブ)によってなめす方法で古くから行われております。植物性のタンニン液層に数ヶ月浸し、染み込ませます。堅牢で摩擦に強く、伸縮が小さくて型崩れしにくい革に仕上がります。また、光などによる経年変化も魅力のひとつです。30あまりの作業工程があり、広大な設備と時間と手間がかかりますが、丈夫で使い込む程に味わい深く変化していく革になります。このタンニンなめしのなめす段階でオイルを染み込ませることによりオイルレザーとなっていくのです。
・床革
銀付き革をそいだ、残り部分を鞣した革でです。 樹脂塗料やエンボス加工を施して、銀付き革でのように見えるように加工される。リーズナブルなソファに使用されています。高級感があります。半年に1度のお手入れさえすれば長期間使用できる耐久性をもつ。品質に様々なランクがあり一概には語れない。
人工レザー(人工皮革)
人工レザーとは、合成樹脂をベースの布地をに塗ったものです。合成樹脂はポリ塩化ビニールやポリウレタン樹脂を使っているので、いわゆる「 ビニール製 」や「 プラスチック製 」ということになります。合成樹脂の表面層に天然の革に似せた型押しを施すことで本革のような見た目を演出しますが、革独特の匂いや手触りまでを再現することはできません。しかし国産の高品質な人工レザーとなると本革に非常に近い風合いと本革のような肌触りを再現しているものがあります。ちなみに、合成皮革は 合皮 やフェイクレザーとも呼ばれていて、ソファや 車・バイクのシートなどに使われています。
・PVCレザー(塩化ビニール)
「PVC」とは塩化ビニールのことです。ベースとなる布地の表面に塩化ビニール樹脂を塗布し、天然皮革に似せた型を押した人工レザーです。PVCは「ポリ塩化ビニール」を意味する “Polyvinyl Chloride” の略です。
・PUレザー(ポリウレタン)
「PU」とはポリウレタンのことです。ベースとなる布地の表面にポリウレタン樹脂を塗布し、天然皮革に似せた型を押した人工レザーです。PUは「ポリウレタン」を意味する “Polyurethane” の略です。
・ソフトレザー
ソフトレザーの主成分はPU(ポリウレタン)ですがPUレザーの品質を上回る耐久性・風合い・肌触りとなっています。なぜならベースとなる生地はポリエステル・ポリエステル/綿の混紡、ポリエステル/レーヨンの混紡などの繊維が 多く使われています。裏基布の強度は重要でありソフトレザー自体の品質強度を高めます。そして ソフトレザーの風合いやボリューム感にも反映されます。
人工レザーについてのまとめ
本革と異なりメンテナンスの必要はありません。様々な種類があり耐久性や品質は幅広く
ピンからキリまで豊富です。コストが安い人工レザーではたった1~2年で割れ目が入ったり、
破れたり、レザーが剥がれたり様々な現象が起こります。
ハイクラスなものになると、まるで上質な本革のような質感と感触を兼ね備え耐久性にも優れていて長期間のご使用が可能です。
布張り
ペットの引掻きに強い。メンテナンスの必要はありません。
人工レザーのような冬場のひんやり感はあまり気になりません。
汚れが染み込むといったデメリットはありますが、布張りソファ専用の防汚スプレーを散布して
プロテクトしておけば安心です。
座る人数を重要視した場合に最適なサイズのソファのサイズを割り出す。
例えば下の画像にあるように肩幅が39cmの女性と肩幅が50cmの男性が同時に座れるソファを探す場合、この二人の肩幅を合わせます。
そして二人の間に肩が当たらないように必要な分だけゆとりを考えます。親密な関係である家族同士で座るのであれば10cm程度で良いと思います。すると役99cmのシート幅が必要となります。このシート幅99cmは座部の必要幅となり、これに両肘の幅をたすことでソファの総幅となります。
男性が3人座れるソファを希望している場合、男性一人当たり肩幅50cmと計算すると150cmのシート幅が
必要になります。
勿論、幅150cmのシートではお互いに肩が触れ合うので肩が触れ合わないよう真ん中に座る人の
両サイドに10cmの間隔を取るので、あと20cmを追加します。そうなるとシート幅が170cm以上あれば
男性3人が座ることができるということになります。
このように座る人数や座る人の体型を考慮してソファのサイズをご検討しすることが間違いのない
ソファ選びに繋がる一つの条件となります。
●ソファの圧迫感が気になる方に知って欲しい!ソファ選びとレイアウト
背もたれの高さは大きく分けて3タイプ
・肘掛けと背もたれの高さが同じタイプ
背もたれは低くお部屋に圧迫感を与えません。
・背もたれが一般的なタイプ
背もたれの高さは70cm~80cm前後で一般的な高さです。
・首へのサポートを考慮したハイバックタイプ
ハイバックソファと呼ばれ背もたれは高く98cm程あるものもあり、お部屋の中央に設置すると圧迫感を感じられます。壁面に設置することで圧迫感を感じさせなくできます。長時間のテレビ視聴にお薦めのソファです。
●ワンちゃんやネコちゃんとの生活を考えたソファ選びについて
ワンちゃんやネコちゃんの爪による引掻きに弱い張り地を使用したソファは避けたいものです。
早速ですがこの引掻きに弱い張り地は人工レザー(合成皮革)です。
人が日常生活で使用する範囲内では、キズなどの心配をする必要はありません。
しかし猫の鋭い爪は簡単に刺さり小さな穴となって表面に確認できます。
●セミオーダーメイド感覚で国産ソファを注文する。
国産ソファメーカーのほとんどは受注生産体制をとっています。張り地の種類や木部の色、サイズなどセミオーダーできるからです。
ほとんどのメーカーが注文してからお届けまで20日~50日程度の時間を必要とする場合があります。
ソファが必要な日時から逆算して希望とする日に間に合うように注文します。
国産ソファは高いといったイメージがありますが、10万円程からご購入できます。当店舗で取扱っているものであれば79,800円~のラインナップとなっていてお気軽にオーダーできるようになっています。
現状、流通している家具のほとんどが東南アジアで生産されているソファですが、国産のソファは比較的長持ちすることと人工レザーの品質が高く、肌触り・耐久性・質感が非常に良いのが特徴です。
●サイドテーブルを有効に使用する
センターテーブルについてはソファの座部より5cm程高いものから、座部より低いものをセットしている場合がほとんどであると思います。
ソファに座ってティータイム。センターテーブルの上のコーヒーカップを取る時、上半身を屈めてとるのですが、
おなかがしんどい場合があります。事実もう少しテーブルが高い方が取りやすいはずです。
こういったことを解消するべく、ソファの脇にサイドテーブルをセットしておくとどうでしょうか?こうすれば、上半身を屈めるような体勢を
とる必要はありません。ちょっとした家具で生活が快適になります。
まとめ